【中国語の簡体字と繁体字の違い】

2f512fec182b8af5abe70f8fd2705641_s

中国語の文字には二種類あります。簡体字と繁体字です。

簡体字は中国本土、マレーシア、シンガポールの中国系住民を中心に使用され、繁体字は香港、台湾、マカオを中心に使用される文字です。

文字のごとく、簡体字は簡略化された漢字で、繁体字は繁雑な画数の多い漢字です。

例えば、

レストラン|餐廳(繁体字)|餐厅(簡体字)

ラーメン|拉麵(繁体字)|拉面(簡体字)

お寺|寺廟(繁体字)|寺庙(簡体字)

神社|神社(繁体字)|神社(簡体字)

このような具合です。

日本語の漢字は繁体字に近いと言えます。簡体字には日本語の漢字のへんやつくりを簡略化して書く文字が多くあります。

この背景には中華人民共和国の政策が関係していました。

簡体字は1950年代に中華人民共和国で制定された文字であり、従来の繁体字を簡略化したものです。中国では1900年代から簡化運動が起こり1949年に中華人民共和国が建国され、1951年に毛沢東が文字改革を指示し、簡略字体の議論を受け、漢字研究の機関ができ、草案ができ、漢字の字形、筆画、筆順などについて具体的な規定も随時制定されていきました。

このようにして簡体字は今では中国で常用字として地名、放送、映画、テレビなどで使用されております。また一方で、香港、台湾ではこれ以前に中国で使用していた繁体字がそのまま使用されているがゆえに、繁体字が常用字として使用されているというわけです。

中国でも年配の方は繁体字で子供の頃、教育を受けており、繁体字も読めるという人も多くいます。

インバウンドのサポートをしていると簡体字か繁体字かどちらで翻訳をすべきか悩むことがあります。

実際、台湾人のスタッフは簡体字もある程度は読めると言いますし、また逆に中国人のスタッフも繁体字は書けないがある程度は読めると言います。

これまでの経験としては、団体客のお客さんはじめ、中国人の数が多いようであれば簡体字を用いるのが良いと思います。また、中国人だけでなく、香港、台湾の人も多く、同じ割合くらいであるならば、繁体字を用いる方が良いと私は思います。